そんなギルバートにそっと触れる。触れた肌にはうっすらと汗が浮かんでいた。
興奮して上気したその身体に、オズはごくりと息を呑む。同時に自分の身体の奥で燻る熱も思い出した。下肢が熱くてたまらない。
その身体の欲にふと思いついて、オズはギルバートの腕を引っ張って身体を起こさせた。戸惑いながらも起き上がったギルバートに、オズはにこりと笑うと自分の熱にギルバートの手を導いた。どくどくと脈打つものに触れさせられて、ギルバートが顔を赤くしたのが目に入る。
「次はギルがしてよ。お腹、空いてるんでしょう?」
誘うと、ギルバートがごくんと唾を飲み込む音がした。
淫魔の『空腹』が実際にどんなものなのかはわからない。人間が感じる胃が空っぽな感じとはまた違うのだろう、というくらいしか想像がつかない。それでもきっと、その『食欲』をそそられる感じなのだろうというのは見ていてわかる。
先程散々嫌だのやめろだのと言った人物とは別人のように、ギルバートはオズのパジャマのパンツに手をかけてきた。
オズは身を引くとベッドに座り込む。ギルバートはその脚の間に躊躇うことなく潜り込んできた。ギルバートの手がパンツと下着を引きおろし、オズのものを掴む。
実のところ、成人しているとはいえ15才のオズのものはまだ年相応。体格差も少なくないものだから、比べるまでもなくギルバートのもののほうが質量があることはわかっていた。そこを指摘してきたら許さない、と密かに構えていたのだが、ギルバートは特に気にした様子もなくオズのものを弄りはじめた。
しかしオズがほっとしたのも束の間だった。
気持ちよくない。初めに浮かんだ不満はそれ。
確かに敏感な部分に触られているのだから刺激は感じる。でも高まっていく感じは全くなかった。勃ちあがったオズ自身がそれ以上膨らむほどの刺激は与えられない。ギルバートの手つきがおぼつかないのだ。
どうしていいのか判らないらしく、曖昧に握り、撫でる。ぺろっと先端を舐められたものの、口に含まれても歯が当たる。ギルバートの口の中は熱いけれど、舌使いはとても褒められたものではなかった。
歯が当たって痛みを感じ、オズは思わずギルバートの頭を引き剥がしていた。
「はっ……、オズ……?」
口に入れていたものを取り上げられ、ギルバートが不満そうにオズのほうを見上げる。それは全く子供がおいしいお菓子を取り上げられたときのような表情だった。
「お前、ヘタすぎ!気持ちよくない!」
「う……だ、だって……」
ギルバートが淫魔として落ちこぼれである理由をようやくオズははっきりと悟った。淫魔なら持っていて当たり前の技術を全く持っていないのだ。「うまくいかない」のも当たり前である。
「あーもう……。口はもういいから手でしてよ。自分でしたことくらいあるだろ?それと同じようにすればいいんだから」
「わ、わかった……」
ギルバートの手がおそるおそるといった様子でオズ自身に触れる。思案顔なのは、多分いつも自分で自分のものを慰める手順を思い出しているのだろう。あまりに手際の悪いその様子に、オズは苦笑した。本当にこいつは落ちこぼれ、駄目っ子だ。
気持ちよくしてもらえないのは不満だけど、かわいいと思う気持ちもある。それにこれから仕込んでいく愉しみもあるじゃないか、とオズは自分に言い聞かせた。
ギルバートを自分のものにしてしまうのは、既にこのときオズの中で決定事項だったのだ。
「……いつもそんなふうにしてるんだ……?」
ギルバートの手がオズ自身の全体を包み込み、緩く擦る。先端が好きなのか、くりくり撫でてくる。指摘するとギルバートはぱっと顔を染めた。
「でもちょっと弱すぎるな。ギルだってこんな弱い刺激じゃイけないんじゃないの?」
「で、でも、加減がわからない……」
自分に施すときは、感じるのも自分。よって感じるように、好きなように刺激すればいいのだが、その感覚がわからないから強くできないと言う。
力加減くらいわからないかな、とオズは内心ため息をついて、ギルバートの手を取った。ギルバートの手の上から自分のものを刺激する。
「ほら……、このくらい……」
実地で教えてやると、ギルバートはオズが教えたとおりに手を動かす。ぴくんと反応するオズ自身に目をやりながらも、時々オズのほうを見上げてくるのが従順な飼い犬のようだった。
「痛く、ないか?」
「大丈夫だよ、もっと強くして……ン、」
命じたとおりにギルバートがきゅ、とオズ自身を握りこみ、ようやく燻っていた熱に火がつくのを感じた。先程よりはいくらかスムーズに、ギルバートの手がオズ自身を扱く。少し勝手がわかってきたのか、くびれを擦ってみたり、浮いた血管をなぞってみたりと色々試しているようだ。少し教えた程度で飛躍的に技術が向上することなどないのだが、元々勃ち上がっていたオズのそこは、少しずつ膨らんでいく。先端からとろとろと先走りが零れだした。
それを目にしたギルバートが、またごくんと喉を鳴らす。物欲しそうな目で見上げてくるので、オズは頷いてやった。
「いいよ。でも先っぽだけな。お前、ヘタだから」
また口に含まれて歯を立てられてはたまらない。オズの許可に、ギルバートは顔を近付けるとぴくぴく震える先端をそっと口に含んだ。
「あっ……、こらっ、あん……」
口に含むやいなや、ギルバートはオズの流す蜜を舐め取り、もっと寄越せとばかりに吸ってくる。図らずもそれはオズにとって大きな刺激になった。思わず声が漏れる。
「ギルっ……、手、使って。そうしないと出ないよ……?」
先走りを吸うことに夢中になったか、ギルバートの手が止まっている。いくら先端が敏感でも、それだけでは足りない。オズは手を伸ばすとギルバートの大きな手の上から自分の手を添えた。自分の好きなところを刺激するように導く。
「んっ、ア……、ギル、もう……」
普段に比べると格段に遅い絶頂がようやく近付くのを感じて、オズは吐息のような声を洩らした。ギルバートの咥内が熱い。早くと催促するように、舌で鈴口をつついてくる。搾り取られるように吸われてオズの熱がやっと爆ぜた。
「あ、ふ、ああ……っ!」
上り詰めて意識が真っ白になる。しかし普段は一瞬の快感は終わらなかった。吐き出した体液を即座に飲み込んだギルバートが、尿道に残った体液までもを求めて強く吸ってきた。
「あっ、ギルっ、やめ……」
引き剥がそうとするが、力が入らない。自身から強く体液を吸い取られる。達したばかりの身体には刺激が強すぎて、オズは身体を震わせた。ギルバートの手の中で、萎えかかったものは再び固くなってしまう。吸っても出なくなったのか、ギルバートがようやく口を離したときにはオズは荒い息をついていた。
「お前っ、がっつきすぎ……!」
「あ……」
本気半分でギルバートの額を小突くと、ようやく「やりすぎた」という表情をする。本当にこいつはへたくそだ、とオズは内心悪態をついた。
「す、すまない……、おいしくて、つい」
「だからってなぁ……、ん、まぁいいや」
はぁ、とため息をついて、でもそのあとにすぐにやりと笑って。オズは手を伸ばした。脚の間にうずくまったギルバートの秘めた部分にそっと触れる。
「あっ……?」
途端にギルバートが身体を震わせた。少しだけ指を潜り込ませてみると、そこは熱くてとくとくと脈打っているのが感じられる。その反応に、オズは目を細めた。
「今度はこっちにいっぱい飲ませてあげるからね」
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10.05.01.