Dreaming Sunday
蹲っていた格好から立ち上がり、浴槽の淵に腰かける。早く、と仕草で促すとギルバートは泣きだしそうな顔をしながらもオズの言葉に従った。知っている、ギルバートはオズの言葉に逆らえない。オズによってそういうふうに作られてしまったのだ。
ギルバートの手がかけられ、タオルを取られると彼の手が直接そこへ触れた。既に熱くなっているものを刺激されるけれど、少し強すぎる。ご褒美を早く貰いたい気持ちが明らかで、オズは眼下で揺れる黒髪をぐっと引っ張った。
「った……!」
「駄目。ここはもっと優しくしなきゃ駄目だって、ちゃんと教えたよね?できないの?」
「……で、でき、る」
愛撫の施し方も、どこを刺激したら気持ちいいかも全て教え込んだはずなのに、それが反映されない程ギルバートには余裕がないらしい。少し意地悪に言ってやると、ギルバートは目尻に涙さえ浮かべてもう一度オズの自身を手に取った。先程よりはいくらかましに愛撫を始める。
いくら余裕ぶって見せていても、一度身体を重ねて感じやすくなっているのはオズも同じ、そこはすぐに反応して硬く張りつめた。苦しそうにしながらも、ギルバートの眼が嬉しそうな色を帯びるのをオズは確かに目にし、そして安心を覚える。自分が達かせてほしいという願望だけではないことをそこから感じ取れたから。
ギルバートの唇が近付けられて、軽く口づけられる。途端にどくりと熱が集まるのを感じてオズは軽く喘いだ。お湯よりももっと熱いギルバートの口の中へ入れられる。そうされればどうしたって、いつも彼の中へ挿入するときを思い出してしまって。きつくて柔らかい、相反する刺激を同時に感じられるそこへ突きたてたくて仕方がなくなる。水音を立ててギルバートの舌が這い、オズ自身をもっと育てていく。
「ギル、いいよ、上手」
褒めてやると、ギルバートは嬉しそうに顔を歪め、オズ自身を口から出した。手で支えたものを根元から舐めあげ、うっとりと舌で舐る。ぞくぞくと静かな快感がこみ上げるのを感じながら、オズはギルバートの下肢にふと目をとめた。
愛撫の途中で放り出したそこは当然ながら上を向いたまま。その状態が辛いのか、腿を擦り合わせる仕草に一気に熱が集まる。
苛めたい、かわいがりたい、もっと焦らしたい。熱が爆ぜそうなのを堪えると、オズは足をギルバートのそこへ伸ばした。足でギルバートの雄に触れると途端に悲鳴が上がる。散々焦らしたそこが限界に近いのは想像に難くなかった。
「上手にできてるからご褒美、ね?」
「ひっ、駄目だ、オズ、オズっ……!」
足の裏で、びくびく震えるそれを感じる。ギルバートの手は完全に止まってしまい、オズの腿にかけた手はふるふる震えていた。もう少し虐めても良かったけれど、そろそろ達する可愛い顔が見たいな。そう思った、それだけで簡単に方針を決めてオズは両足を持ち上げるとギルバート自身をぐりっと刺激した。ギルバートがぶるりと身体を震わせてぎゅっと目をつぶる。
「あっ、もうっ、オズ……!」
オズの足の間でそれが大きく震え、びゅるっと熱が弾けた。どろりとして温かい液体がかかる感触、それから眼下で見せたギルバートの達する瞬間の表情に下腹が強く疼くのを感じる。
なんていやらしい表情をするのか。そんな発情しきった顔をされてはたまらない。ぺたりと腰を落としたギルバートの手に触れる。次こそは最後までしてもらわなければ。
「気持ちよかった?ギル」
「……う……」
問うと、ギルバートは頬を赤く染めて視線をそらしてしまう。ここで気持ち良かった、と素直に言えばかわいいのに、とオズは軽く鼻を鳴らしたがすぐに思い直す。素直に言えない様子を見せられるのも、それはそれでかわいいものだ。それにこれで終わるはずがない。
「次はオレの番だよ。中でしよう?」
悪戯をしている間に少しぬるくなった湯船を指差す。ギルバートがそれに目をやり、恥ずかしそうに視線を泳がせた。なにを考えたの、といじめてやっても良かったけれど、そんな余裕は既になかった。ギルバートの手を引っ張って促す。
もう一度ギルバートと一つになる。心も体もその瞬間を待ち望んでいた。
「そう、そのまま下ろして……大丈夫だから」
ギルバートを上にして、腰を掴んで支える。身長差と体格差も、お湯の浮力が大分力添えをしてくれた。少し重いけれど、なんとか持ち上げられる。
最大までに張りつめたものをギルバートの入口に擦りつけ、促した。一度最後まで進んで、そのあとも悪戯を繰り返したそこは十分準備ができているはずなのに、ギルバートに怖れがあるのかなかなか飲み込む様子を見せない。無理やり突き立てては傷をつけてしまうし、とオズはじれったく思い、ギルバートの前に手を伸ばした。軽く擦って刺激する。
「あん……、オズ……」
オズの首に腕を回したギルバートが緩く首を振る。感じているのは確かで、ギルバートの身体ももっと刺激がほしいと訴えているのは伝わってくる。後押しするために指でそこを少しだけ開いてやった。
「ねぇ、早くギルが欲しい。早くおいで」
最大限の甘い言葉を囁いてやれば、漸く決意がついたのか、ギルバートが腰を下ろす。場所がずれないように手で支えたそれが、ギルバートの秘部にずぶずぶと飲み込まれていった。
熱い粘膜に絡みつかれてオズは息を零す。入口はぎゅっときつい。それなのに中は柔らかくて収縮している。根元を締め付けてほしくて思わず腰を押し上げればギルバートがびくりとのけぞった。その衝撃でずぶりと根元までギルバートの中に飲み込まれる。
「ぁ……ああっ!」
「ギルの中、熱いね。狭くて気持ちいい……」
ギルバートが倒れないように腰をしっかり掴みながら、目の前の胸にキスをする。ちゅ、ちゅ、と何度も唇をつけ、赤く染まった胸の頂を吸えば、ギルバートの身体がびくびくと反応した。それに煽られ、オズはギルバートの腰を掴み直す。
「動くよ」
オズのほうにも余裕はもう残っていなかった。短く告げて、ギルバートの腰を持ち上げては落とす。甘い声を上げるうちにギルバートのほうも自分で腰を振り始めて、オズは満足のため息をついた。ギルバートのとろとろに溶けた表情一つだけで達してしまえそう。顔を歪ませ涙を零して、本能に溺れるその表情はとても煽情的。
ギルバートの中で自分の雄が暴れるのを感じて、オズは身体が求めるままにギルバートの内部を味わう。どこを突くとギルバートは気持ちいいのか、そしてその反応がオズのほうに快感をもたらしてくれるのはどんな動きか。そればかりを考えてしまう。
「あっ、オズ、オズぅ……!」
ギルバートが鳴き声を上げ、オズの肩口にしがみつく。強く抱きしめてやりたいけれど、支える手を離せない。代わりに視線だけで合図を送ってギルバートの唇に唇を重ねた。
「……あ」
舌を潜り込ませて絡めると、ギルバートが満足そうな喘ぎ声を出す。舌が触れ合うだけで感じてしまうのも仕方がない。もっと刺激がほしくて下から突き上げるとギルバートが途端に高い声を上げた。
「ああっ、オズっ、んぁぁ……!」
声を恥じらっていたことも忘れたように、感じるまま声を出すギルバートに愛しさが募る。その感情が行く先は彼の名前以外になくて。
「ギル、ギルっ……!」
何度も呼びながら抽挿を繰り返す。お湯が激しく揺れるけれど気にならない。お湯よりも気持ちのいいギルバートの中に、オズも完全に溺れてしまう。ぎゅっと締め付けられるたびに声が零れた。腰の奥のほうがぞくぞく疼いて仕方ない。
何度も達しそうになってそのたびに踏みとどまった。もっと感じたい。ギルバートを、二人繋がっていることを。
「ギルっ……ねぇ、愛してるよ、ギルバート……」
唇を離してギルバートの眼を見つめる。雄の眼をした自分が、確かにギルバートの眼に映っていた。この黄金色が映すのはきっと自分だけ。今だけはそう思いあがっても赦される気がした。そしてオズの眼に映るのもギルバートだけだと、確かに彼が教えてくれる。
「オレも、オレも、好きっ……オズ……!」
快楽に犯されたその瞳がオズの眼に映る。綺麗な黄金色、蕩けて涙の浮かんだそれが自分のものであると考えただけで胸がいっぱいだ。
「ギル……っ!」
きゅっと心臓がくびれて熱が爆ぜそうな感覚を感じ、オズはギルバートの腰を思いっきり引きよせた。特別感じるところをずん、と深く穿つ。オズの手の中でギルバートの身体がびくんと震えて、オズを受け入れている中がぎゅっと締まるのを感じた。
「オズっあ、あああっ……!」
その刺激でオズの意識も真っ白に浚われる。ギルバートの中に思いのたけを注ぎ込む。じんじんと痺れるような快感が脳を冒し、なにも考えられない。
くたりとギルバートが身体を預けてきたことで漸く意識が身体に戻ってきた。ギルバートの重みが愛しくてたまらない。
息を整えるうちに気がついた。ギルバートの腕が、仕草が要求していることに。
「ギル、愛してる。オレのギルバート」
少しくたびれた手を持ち上げて、ギルバートの背中を抱く。ぎゅっと抱きしめて体を密着させるとギルバートがため息をついた。
嬉しそうなその吐息がかわいらしくてならない。どれだけギルバートを愛しているかなんて、このやりとりだけできっと十分なのだ。
「お風呂からあがったらもう一回する?今度こそちゃんとベッドで……ね?」
「……まだするのか?」
「だって、」
今日はクリスマスだよ。そう言ってやれば、ギルバートは、そういうことをする日じゃない、とぼそぼそと呟く。でもギルバートが十分楽しんだのも、本当はこういうのを少し期待していたのも知っている。
お祝いにかこつけてギルバートとたくさん愛を交わせる、素晴らしい日。もっと触れたい、溶けて一つになってしまうくらいもっと、もっと。
今夜は二人、深く触れ合ってお互いを確かめ合おう。確かに同じ気持ちを持っていることを確かめ感じあう、とっても大切な一日はまだ終わらない。
END.
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お付き合いありがとうございました、最早痴漢全く関係ないオズギルいちゃいちゃでした!
この話は電車に乗っているあたり現代パロなのは確かですが、その他の設定は全く考えておりません。オズとギルの関係も(あ、でも恋人同士です。それは確実)、世界設定も白紙です。本当にオズギルがいちゃいちゃえろえろしているのが書きたかっただけです、ごめんなさい。
お風呂プレイは最初つける予定はなかったんですが、オズさまが「お風呂でしたい」って脳内で言ったので付け加えました。そしたら最終的に一番長くなったという。流石オズさま。あと原作だと二人一緒にお風呂に入る状況が絶対あり得ないので(だって主従!)、パロディで一回やってみたかったんです。それだけです。
書いている私はとても楽しかったですが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。こんなオズギルいちゃいちゃを書いているときが一番幸せです。
2011.02.20.