Dreaming Sunday
オズの手が奥深いところへ触れるのを、歓喜で胸をいっぱいにしながらギルバートは受け入れた。
キスをしたあとオズは身体を起こして着ていたものを脱ぎ捨てる。いつもならもっと胸のほうやら腰のほう、あるいはオズのほうへ愛撫をねだったりしてじゃれあうのに、今はオズも急いているようにギルバートの目には映った。
脚の間へ手を差し込んで、一番深い部分へ指が潜る。ぐちゅりと音をたてたそこは、オズを待ち望んですっかりぬかるんでいたはずだ。それでもそのまま受け入れることが難しいそこのために、オズの手はぬるりとしたオイルを纏う。選ぶ余裕などなかったのだろう、一番近いものを乱暴に掴み取りぶちまけられたそれからは薔薇の香りがした。濃く香る花の匂いにまた涙が出そうになる。
オズの指がギルバートのそこを確実に弛め慣らしていくその過程に焦れて仕方がない。いっそ切れてしまってもいいからそのままオズを突き入れてほしいほどに衝動は高まっていたけれど、オズがそんな手酷いことをするはずもない。何度もオイルを塗り込めて慣らしていって、オズの三本の指を柔らかく咥え込むまでにとろとろにされた。
「ギル……」
ずるりとオズの指が引き抜かれて、脚を腿から持ち上げられる。一番恥ずかしくて無防備な部分を晒す羞恥よりも、オズを待ち望む気持ちが遥かにまさった。
「オズ……!」
飾り立てた言葉はいらない。たった一言名前を呼んだだけで、ギルバートの望むことは伝わったはずだ。
脚の間にオズが割り込み、そこへ張り詰めたオズのものが押し付けられる。緊張する間もなくぐぐっとそれが押し込まれた。
「あ───っ!!」
異物を押し込まれた衝撃よりも、オズを身体の中に感じられる幸福感に涙が溢れた。今度ばかりはオズも気遣うことなくギルバートの中に確実にそれを埋めていく。ずん、と根本まで穿たれて、じわりと脳を衝撃が貫くのを感じた。
ずきりとした痛みと共に、お腹の中がオズでいっぱいになっていることを感じる。零れた涙は安心感からだということを、きっとオズも気付いたに違いない。ふにゃりと微笑んだオズはとても優しい表情をしていたから。
「あっ、ん、あ……っ!」
緩やかにオズが抽挿を始めて、ギルバートは縋るものを求めてシーツを掴んだ。その手の上にオズの手が重ねられる。指の動きで掴んだ手をほどくように促されて応じると、その手を返されて握られた。柔らかくて、汗ばんだ手の感触にほっとした瞬間ずぐっ、と奥までオズのものが突き入れられる。緊張していた身体から力が抜けたせいだろう、オズのものは奥の奥まで突き入れられ、ギルバートの中で暴れまわった。
「うっ、あっ……!あっんん……!オズっ……!」
口に出すべき言葉が思い付かない。ただオズ、とだけ繰り返す。
薄目を開ければ、綺麗な金髪を振り乱してギルバートを貪るオズの姿が確かに見えた。快感を湛えた余裕のないその眼が嬉しくてたまらない。昼間見せる年相応の表情、ギルバートに対して少し大人ぶって見せたり、逆に子供のように膨れたり。そんなくるくる変わる表情のどれとも違う表情は大人の男のもの。色っぽさが香るようで息が詰まった。
(……なに?)
ギルバートの視線に気付いたのか、オズの眼が問いかける。勿論ギルバートの中を味わうことに夢中になりながら、だ。
(なんでもない)
喘ぎ声をあげながら、ふにゃりと笑ってみせた。
この時間がとても好きだ。言葉にならなくても言いたいことが全部伝わる。身体の一部で繋がっているおかげだろうという安心感。
(変なギル)
きっと今はこう言いたかったんだろうな、とギルバートは解釈して、そして嬉しくなった。もう気持ちよくなっても涙がとまらないなんてことはない。それだけの安心をオズがくれたから。
「あっ、ぅんっ、ふぁぁっ」
ちかちかと目の裏を星が瞬く。絶頂が近いことを感じてオズの手を握りしめると、荒い吐息と一緒に握り返された。身体でわかる、ギルバートの中でどくどく脈打つものも終わりが近い。
一緒に終わりを迎えたくて、ギルバートはできる限り後ろを締め付ける。意識してオズを締め付けると、オズの眉がひそめられて泣き出しそうな表情になった。知っている、達しそうになるぎりぎりの表情にギルバートの心臓が鷲掴みにされた。
それを後押しするように一番感じる部分をぐりぐりと何度も突かれてギルバートは泣き声をあげながら上り詰める。オズが一緒に達するのを半ば確信しながら。
「あっ、んっ、ああぁー……!」
「ん!あ……っ!」
どくんと自分の熱がはぜてお腹に液体を散らすのと同時。身体の奥でオズのそれがびくびくと震えて熱い液体を吐き出す。絶頂に達してびくんびくんと震えながら萎えていく感触、出された液体がじわじわと内部に広がる感触。
そして目に映った達する瞬間のオズの表情。すごく綺麗でいやらしかった。きっとオズにも自分の表情を見られただろう。普段なら恥ずかしくて死んでしまいたくなるのに今は見られたことが嬉しくてたまらなかった。
オズにしか見せない。だから、オズにはよく見てほしい。
そんな満足感を抱えて力を抜くと、同じように満足げなため息をついたオズと眼があった。ふにゃりと笑みを浮かべてしまったのは、意識する前のことだった。
「もう一杯飲むか?」
「んー、いい。もう十分」
結局一度で済むはずがなく、二度、三度と繰り返して。何度も確かめあって、ようやく満足した頃には零時をとっくに回っていた。
作りおきの麦茶を大きなコップに注いで持っていけば、喉が乾いていたのだろう、オズは一息でそれを飲み干して息をついた。乾いていたのはギルバートも同じ。その横で同じように冷たい麦茶を流し込む。
「はー……、ねむい……」
汗と液体で汚したシーツは引き剥がして洗濯機に突っ込んできた。洗うのは明日の朝でいい。
綺麗に乾いた新しいシーツの上にころんとオズは転がった。その様子はまるで泊まりに行ったホテルのベッドに転がる子供のようで、ギルバートはおかしくなってしまう。さっきまではあんなに色っぽかったのに。
「お疲れ、さま……?」
「んー?なんかそれ、ヘン」
「……確かに」
ねぎらうのもなにか違うと思いながらと言葉にすれば、思っていたことをオズに言われてギルバートはくすりと笑った。そんなギルバートを見てオズはほっとしたような笑顔を見せて、ギルバートの腕を引っ張ってきた。
「ごめんね。寂しくさせた」
「そ、……それ、は」
最中に泣き出したことを思い出して、ギルバートは今更ながらに顔が熱くなるのを感じた。いいとしをして最中にめそめそしたなど恥ずかしい。そんなギルバートにかまうことなく、ベッドに引き込んでオズはもう一度抱きしめてきた。
「忙しいからしょうがない、なんて言い訳だよね。だって、なんとかすることはできたんだもん。……今日みたいに」
「それは……、ごめ、むっ!」
「謝らないの。……嬉しかったんだから」
謝りかけたギルバートの口を勢いよく手で塞いで、オズは言葉を封じてきた。
「ね、もっと会いたいって、言っていい?ギルが時間があるかどうかオレ……わかんなくて」
ギルバートの胸にそっと頬を押し付けてきたオズ。それに誘われるように髪を撫でた。
「いいに決まってる……。オズに会うためならいつだって」
「だからって他のこと放り出したりしないでよね?……じゃ、メール送る」
「……待ってる」
ギルバートが送ったメール。それは二人だけの秘密の暗号。
☆、星、ほし。ほしい。
I wantの意味を星の記号に込めて送る。会いたくなったときにはそうしようと二人で決めた。実際に役立つのは今夜が初めてだったけれど。
「ね、明日、学校まで送って?」
「ああ……、でも制服とか」
「全部持ってきた。教科書とか足りなかったら借りればいいし」
「……用意周到だな」
「当たり前じゃん。朝までギルといたいもん」
泊まる気を見せつけたオズに、ギルバートの心はほわりと温められる。
朝までオズと一緒だ。明日の朝はオズが好きなチーズオムレツを作ろう。考えるだけで嬉しくてたまらない。
寄り添いあって眠りに落ちながら、ギルバートは不確かな意識の中で望んでいた。これからはもっと頻繁にやりとりできるといいと思う。二人だけの秘密のメール。
ベッド脇に放り出した携帯の中で、それはひっそり眠っている。
END.
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久しぶりの更新でした!久しぶりの更新が裏ですみません、最近えろいのしか書いてな…。
えと、今回の話はお友達とチャットをしているときに生まれました!井下ともさんとオズギル萌え話をしているときに、☆を「hoshi」と誤打したことから…。ギルがオズに☆でアピールしてたらいいねって。現パロだったらメールだよねって。オズからのメール部分は井下さん作です。いつもありがとうございます!笑。
2011.07.23.